長崎県大村市に鎮座する昊天宮(こうてんぐう)は、宇宙・大空を守護する天津神「昊天大神」を祀る神社として知られています。
その歴史は約2,000年前に遡り、肥前国彼杵郡の総鎮守として地域の人々から深い信仰を集めてきました。
歴史と由緒
昊天宮の起源は、郡平野に文化を築いた豪族が建国の祖神を氏神として祀ったことに始まります。和銅5年(712年)には行基菩薩が御神体を奉納し、大社としての地位を確立しました。平安時代以降、大村氏の初代である大村直純公を副祭し、歴代藩主からも篤い崇敬を受けてきました。特に文明12年(1480年)には、大村純伊公が戦勝祈願の御礼として社殿を再建し、「幸天(こうてん)」と改名したことが伝えられています。江戸時代には大村藩の総鎮守神として尊ばれ、地域の精神的支柱としての役割を果たしてきました。
御祭神
昊天宮の本殿には、以下の六柱の神々が祀られています:
- 伊邪那岐神(いざなぎのかみ)
- 伊邪那美神(いざなみのかみ)
- 瓊々杵神(ににぎのかみ)
- 木花咲耶姫神(このはなさくやひめのかみ)
- 鵜葺草葺不合神(うがやふきあえずのかみ)
- 玉依姫神(たまよりひめのかみ)
これらの神々は、国生みや天孫降臨に関わる皇祖神であり、延命長寿、夫婦円満、交通安全、安産、子授けなどのご利益があるとされています。
また、相殿には天照皇大神(あまてらすすめおおみかみ)や素戔嗚神(すさのおのかみ)も祀られています。
主な祭典
昊天宮では、年間を通じて多彩な祭典が執り行われています。中でも10月18日に行われる「おくんち祭・神幸祭」は最大の祭典で、神輿が氏子各町を巡行し、多くの参拝者で賑わいます。また、1月7日の「鬼火焚き神事」では、正月飾りを焚いて神々を送り、無病息災を祈願します。7月31日の「夏越祭」では、茅の輪をくぐることで心身を清める神事が行われます。
見どころとご利益
境内には「桃の大石」と呼ばれる桃の形をした大きな石があり、これを撫でて祈願すると、元気な子どもを授かると伝えられています。また、古御殿の神や昊天稲荷神社など、多彩な神々が祀られており、開運、厄除け、商売繁盛、家内安全など、さまざまなご利益を求めて多くの参拝者が訪れます。
アクセス情報
昊天宮は、長崎県大村市宮小路2丁目537番地に位置しています。社務所の電話番号は0957-55-8450です。詳細なアクセス方法や最新の行事情報については、公式ウェブサイトをご参照ください。
まとめ
昊天宮は、長崎県大村市の歴史と文化を深く感じられる神社です。
豊かな自然に囲まれた境内で、古代から続く神々の息吹を感じながら、心静かに祈りを捧げてみてはいかがでしょうか。
訪れる人々に多彩なご利益と癒しをもたらす昊天宮で、特別なひとときをお過ごしください。
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